2014年12月24日
襲い来る白い影
冬至ですね。1年で一番日が短い日。太陽神が死ぬ日。
冬至は一番日が短く太陽の力が最も衰える時。つまり太陽神が死ぬ(もしくは弱る)。でも、冬至以降は日が長くなるので、太陽の神が復活する。古代エジプトの人々はそう考えていたんですねぇ。
なんて物思いにふけっていると、まったく仕事ははかどりません。
色々間に合うのか。。。どうにかなるかな。。。
どうも僕です。
仕事が…と言いながらも隙あらばお外に出てワサワサ楽しんでます。今日は石を楽しみましたが、それについては、また今度。
とりあえず、書き溜めた生き物通信を記事にします。
●襲い来る白い陰
私が中学3年生の頃。梅雨でジメジメしていた塾の帰り道。偶然同級生と出会い、街頭の下で少し立ち話をしていました。しょうもない内容だったのですが、話が弾み、時間もすっかり遅く(法律の範囲内)なってしまったとき、どこからともなく白い影が私たち目がけてやってきました。白い影は形を変えながらも、どんどん、そして確実にこちら側に向かってくるのです。5m、3m、1m、ついに白い影とぶつかった!それと同時に友人の悲鳴!私の全身には不快感が襲い、一気に鳥肌が立つ。何が起きたか分からなかったのですが、不快感のする腕を見てみると、なにやら白いモゾモゾしたものが。。。その正体はシロアリでした。シロアリの大群が体中にまとわりついていたのです。
シロアリはこの梅雨時期あたりになると、群飛といって、新しい生活環境を求めて一斉に巣から飛び立ちます。普段彼らは、暗い巣の中で生活しているため、「外=明るい」と思っているんでしょう。ひたすら光があるとこに向かって飛んでいきます。私はナイスタイミングでシロアリが集まるところにいたわけです。あー、今思い出しても鳥肌が立つ。
シロアリというと、その名の通り、アリの仲間だと思われがちですが、そうではありません。分類上、シロアリはゴキブリの仲間です。余計に気持ち悪いと思うかもしれませんが、ゴキブリにも色々いるんです。家で出会って「ウワーキモイーアッチイケー」ってなるゴキブリではなく、森の中にいる可愛いゴキブリと近縁です。芝生とかに座っていると、たまに草の間に黒くて丸っこい虫が移動していくのを見たことがありませんか。あれはサツマゴキブリというゴキブリなのですが、シロアリはそっちに近いのです。家にいるワモンゴキブリなんかは雑食性で、残飯にたかっていますが、森にいるゴキブリは細胞壁の主成分であるセルロースを主食とします。なので、枯れ木や枯葉・枝などを食べています。毎日木は枝葉を落としているはずなのに、森の中に言っても枝葉だらけになっていないのは、サツマゴキブリのような枯葉などを食べる生き物がいてくれるからなんです。いわば彼らは、森の掃除屋なのです。たまたま家屋を食害する数種がメディアで悪者扱いされて、悪い印象ばかり持たれがちですが、食害する4種を除いたほとんどの種が人に害を及ぼさないし、むしろ生態系において大切な働きをしています。人に害を及ぼす(シロアリにとっては飯食ってるだけ)シロアリは、やはり人の近くにいて森にはほとんどいません。だから、近くの林にシロアリらしき虫がいるからといって、むやみやたら殺してしまうのは良いことではないのです。
そうそう、群飛した後のシロアリたちはどこへ行くのか。新境地を求めて外へ出るものの、外は天敵がいっぱい。しかも、シロアリってそんなに強い生き物ではないので、昆虫や鳥の恰好の餌食になる。群飛した99.999…%が食べられるか死んじゃうそうです。この間、飛んできたシロアリがどうなるか観察していたら、どこからともなくアリがやってきてシロアリを捕まえて巣に持っていっちゃいました。なんかドナドナみたいで切なかったなぁ。
おしまい。
Posted by Cinnamomum_mk at 00:42│Comments(0)
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