2011年08月23日
骨に思いをはせて
こんにちは。
ようやくインターネットが安定してきました。
ネットが繋がらないと何だか少し物寂しくなるのは、私がだんだんとネット依存症になってきた証拠でしょうか((+_+))いやー、ネットの力は恐ろしい。笑
話は変わって
私が以前から作り続けていたオリイオオコウモリの骨格標本が完成しました。
嬉しいので、今回の記事は骨格標本がどんな感じにできたのか記事にしちゃいました。
という記事です。
色んな人に生き物の体の仕組みの面白さを教わってからの私は
普段、生き物の死体が転がっていないか目を光らせて歩いています。笑
決して無類の死体が好きというわけではなく、
生き物の「死」というものを少しでも教育に生かせられないかという観点から
死んだ生き物を教材としてもう一度生きてもらおうという思いから、
生き物の死体を探しています。
そんな私に感化されたのか、最近私の友人も死体探しを手伝ってくれます。
そんな友人から、ある日一本の電話が。
友人「今、学校に向かって歩いていたらコウモリが路上で死んでるだけど…」
私「確保!」
友人「りょ、了解!」
とまぁ、こんな感じでコウモリの死んだ個体をゲットできました。
ちゃんと保冷剤まで入れて確保してくれた友人Fさんありがとう。
ゲットしたコウモリはオリイオオコウモリ。
私の地元では夜になるとバッサバッサと飛んでいます。
沖縄県内なら比較的どこでも見られるコウモリではないでしょうか。
このオオコウモリを解剖して、体の仕組みを見ながら骨だけにしていきます。
私一人で解剖するのも何なので、友人2人と一緒にLet's解剖です。
冷凍保存していたので、まずは常温の水に浸して解凍します。
写真は腹側から撮ったものです。写真下が頭部になります。
写真上は生殖器です。何だか見慣れたシェイプをしてます。そうです。オスです。
人間と似たような形をしています。
友人2人は解剖は初めてらしく、悲鳴に似た感動の声をあげながら解剖していました。
コウモリは哺乳類なので基本的な体の構造は人間と一緒です。
写真を載せて説明したいところですが、公の場で解剖の写真を載せるのはマズイと思うので、
ここでは載せません。
とはいっても、手の部分だけでも載せようと思います。
コウモリの羽となっている部分は私たちでいうところの手。
指と指の間、小指と足の付け根の部分に膜を張って羽にしています。
解剖するときは、骨が無い腹部をつまんでメス(カッターまたはハサミでもOK)で切り口を入れます。
それから、その切り口から顎の部分まで一気に切開していきます。
この時、肋骨などを一緒に切らないように注意してください。
顎まで切開したら、今度は皮を引っ張りながら、骨と皮がくっついているところ(皮を引っ張るのにつられて引っ張られている部分)をカッターでなでるように切っていきます。
(写真はコウモリではないです。すいません。)
頭部は目、口、耳、鼻周りはがっちりくっついているので、切りにくいですが
それ以外のところは割とすんなり皮をはがすことができます。
そうやって皮を剥いだ後は、骨についた筋肉をそぎ落としていきます。
あと、脳みそも取り出さないといけません。
頭骨と第一頸椎骨の結合部が動くので、その部分にメスを入れて筋を切ると簡単に頭骨が外れます。
頭骨がはずれたら、ピンセットを使って脳みそを取り出していきます。
皮と筋肉削いで、脳みそ取り出したら解剖は終了です。
友人2人が頑張ってくれたので、私はあまり何もせず骨をゲットです。
解剖途中、何で死んだのかなーと思って
首回りで内出血がひどかったので、その周辺をゴソゴソしてみると、
右肩の肩甲骨あたりが骨折していました。
空を飛ぶ生き物は軽量化を図るために骨がスッカスカになっています。なので、陸上で生活している生き物よりは骨折しやすくなっています。普段飛んで生活している生き物にとって飛べなくなることは致命傷で、一度骨折してしまうと、ほとんどが死んでしまいます(保護されることを除いて)。
きっとこのオオコウモリさんも何かに激突して骨折して動けなくなって死んでしまったのでしょう。ご冥福をお祈りします。
骨を取り出したら、残ったタンパク質を取り除く作業です。
大きな動物は煮込んだりするのですが、オオコウモリぐらいのサイズは骨が細かいので一度バラバラになると組み立てるのが大変です。そんな時はこれ!
酵素入りポリデント!
細かいたんぱく質も分解してくれるし、ニオイは取れるという優れもの。
意外な使われ方にポリデント自身もびっくりしているはず。笑
また、ポリデントで洗浄すると筋肉などはボロボロにしてくれますが、
筋は残したままにしてくれるので、組み立ても楽になります。小動物にはおすすめです。
薬局に行けば簡単に買えますが、「この若さで入れ歯?」と思われるんじゃないかとドキドキします。
オオコウモリの大きさでは4錠ぐらいポリデントを入れました。
ポリデント液に浸けて丸一日常温保存です。
次の日、ボロボロになった残った筋肉をピンセットやらで取り除いていきます。
無理に取り除こうとすると構造が壊れてしまうので、取り除けない場合は再度ポリデントにつけて
ピンセットで取り除いてを繰り返していきます。
そして、ある程度取り除けたら(少しぐらいタンパク質が残っていても乾燥すると全然見えなくなるので大丈夫です)形を作っていきます。
本物に近い感じで作りたかったので、まずはオオコウモリがよくとまっているガジュマルの枝をゲットします。
まずは台作り。
ガジュマルの枝と台をくっつけます。
裏はこんな感じ
ドリルで穴をあけて、そこにネジを入れて固定しています。
台は補強のために台の中に一本木材をいれています。
土台完成!
今度は、ガジュマルにオオコウモリの骨をぶら下げて、ガムテープなどで腕や足の角度を決めていきます。
(背景汚くてすいません。。。)
この時、頭骨はまだ固定していません。
脊椎骨の中に1.0mmのステンレスの針金を入れて形を作っています。
こうやって1日ぐらいかけてしっかりと乾燥させ、形を作っていきます。
(細かいところは後で修正可能なので、こんな形にしたいという大体の形を決める作業です。)
乾燥させたら止めていたガムテープを外します。
そして、今度は型崩れしない&丈夫にするためにステンレスの針金で補強していきます。
使用するステンレス針金は先ほど脊椎骨に使用したもの同様1.0mmのものを使いました。
この針金を寄り合わせて弾性を持たせて使います。
腕はこんな感じです。
決めた形にステン針金を沿わせて固定していきます。
固定の仕方はこんな感じです。金の針金は真ちゅうです。
こうやって固定することで、骨に直接負荷をかけることなく固定することができます。
体の軸となる針金はステン針金を2本寄り合わせたもの2つを寄り合わせて頑丈にしてあります。
体のラインに沿わせてステンを折り曲げていきます。
これも真ちゅうで固定したら・・・
こんな感じです。
ステンで補強が終わったら、取れてしまった腕を接着剤でくっつけていきます。
使用した接着剤はアロンアルファとセメダインSUPER Xクリア
稼働しないところはアロンアルファで止めていきます。
関節など、少し稼働してほしいところにはセメダインSUPER Xで止めていきます。
首のあたりはセメダインSUPER Xを使いました。
足の部分は骨に負荷をかけないように、ステン針金をガジュマルに突き刺して固定しています。
そして、ようやく完成!
やっほーい!
飛び立つ前のオリイオオコウモリをイメージして作りました。
本物はこんな感じです。(Sさん写真提供ありがとうございました。)
普段私たちが見るようなアングルから撮影すると・・・
おぉ~!(@_@;)迫力があります!カッコイイです!
相同器官・相似器官の単元で教材に使えそうです♪
きっと、子供たちも感動してくれるのではないでしょうか!(●^o^●)そうであってほしい・・・。
今回の課題としては
作ったのはイイですが、この大きな標本をどこに置くかということ。
んー、分かってはいたけど、やっぱり大きい。
これは母親とひともんちゃくありそうな予感です。笑
標本を作成するにあたってご指導頂いた先輩Sさん
ありがとうございました。おかげさまでイイ標本ができました。
次回作をさらに良いものにするために精進いたします。
皆に自慢するたび「どこに置くの?」と言われる今日この頃。
あくなき探究心と現実がぶつかり、葛藤を抱く24歳でした。
※追記
コウモリはよく超音波を出して自分の位置を確認しながら飛行していると言われていますが、
オリイオオコウモリは違います。
超音波を出すタイプにコウモリは顔が豚っ鼻で、横から見ると少しつぶれた顔をしています。
こういった顔を持つコウモリが超音波を出しています。
ラッパは音が拡がるよう、先端が広がっているように、超音波を出すコウモリも顔の先端がとがっているより、
拡がっていた方が超音波を拡散しやすいのでしょう。
オリイオオコウモリは頭骨をみても分かるように、先端が細くなっています。
このタイプは目で見て飛んでいます。
コウモリと一口に言っても色んなタイプがいるんです。
面白いですね。
ようやくインターネットが安定してきました。
ネットが繋がらないと何だか少し物寂しくなるのは、私がだんだんとネット依存症になってきた証拠でしょうか((+_+))いやー、ネットの力は恐ろしい。笑
話は変わって
私が以前から作り続けていたオリイオオコウモリの骨格標本が完成しました。
嬉しいので、今回の記事は骨格標本がどんな感じにできたのか記事にしちゃいました。
という記事です。
色んな人に生き物の体の仕組みの面白さを教わってからの私は
普段、生き物の死体が転がっていないか目を光らせて歩いています。笑
決して無類の死体が好きというわけではなく、
生き物の「死」というものを少しでも教育に生かせられないかという観点から
死んだ生き物を教材としてもう一度生きてもらおうという思いから、
生き物の死体を探しています。
そんな私に感化されたのか、最近私の友人も死体探しを手伝ってくれます。
そんな友人から、ある日一本の電話が。
友人「今、学校に向かって歩いていたらコウモリが路上で死んでるだけど…」
私「確保!」
友人「りょ、了解!」
とまぁ、こんな感じでコウモリの死んだ個体をゲットできました。
ちゃんと保冷剤まで入れて確保してくれた友人Fさんありがとう。
ゲットしたコウモリはオリイオオコウモリ。
私の地元では夜になるとバッサバッサと飛んでいます。
沖縄県内なら比較的どこでも見られるコウモリではないでしょうか。
このオオコウモリを解剖して、体の仕組みを見ながら骨だけにしていきます。
私一人で解剖するのも何なので、友人2人と一緒にLet's解剖です。
冷凍保存していたので、まずは常温の水に浸して解凍します。
写真は腹側から撮ったものです。写真下が頭部になります。
写真上は生殖器です。何だか見慣れたシェイプをしてます。そうです。オスです。
人間と似たような形をしています。
友人2人は解剖は初めてらしく、悲鳴に似た感動の声をあげながら解剖していました。
コウモリは哺乳類なので基本的な体の構造は人間と一緒です。
写真を載せて説明したいところですが、公の場で解剖の写真を載せるのはマズイと思うので、
ここでは載せません。
とはいっても、手の部分だけでも載せようと思います。
コウモリの羽となっている部分は私たちでいうところの手。
指と指の間、小指と足の付け根の部分に膜を張って羽にしています。
解剖するときは、骨が無い腹部をつまんでメス(カッターまたはハサミでもOK)で切り口を入れます。
それから、その切り口から顎の部分まで一気に切開していきます。
この時、肋骨などを一緒に切らないように注意してください。
顎まで切開したら、今度は皮を引っ張りながら、骨と皮がくっついているところ(皮を引っ張るのにつられて引っ張られている部分)をカッターでなでるように切っていきます。
(写真はコウモリではないです。すいません。)
頭部は目、口、耳、鼻周りはがっちりくっついているので、切りにくいですが
それ以外のところは割とすんなり皮をはがすことができます。
そうやって皮を剥いだ後は、骨についた筋肉をそぎ落としていきます。
あと、脳みそも取り出さないといけません。
頭骨と第一頸椎骨の結合部が動くので、その部分にメスを入れて筋を切ると簡単に頭骨が外れます。
頭骨がはずれたら、ピンセットを使って脳みそを取り出していきます。
皮と筋肉削いで、脳みそ取り出したら解剖は終了です。
友人2人が頑張ってくれたので、私はあまり何もせず骨をゲットです。
解剖途中、何で死んだのかなーと思って
首回りで内出血がひどかったので、その周辺をゴソゴソしてみると、
右肩の肩甲骨あたりが骨折していました。
空を飛ぶ生き物は軽量化を図るために骨がスッカスカになっています。なので、陸上で生活している生き物よりは骨折しやすくなっています。普段飛んで生活している生き物にとって飛べなくなることは致命傷で、一度骨折してしまうと、ほとんどが死んでしまいます(保護されることを除いて)。
きっとこのオオコウモリさんも何かに激突して骨折して動けなくなって死んでしまったのでしょう。ご冥福をお祈りします。
骨を取り出したら、残ったタンパク質を取り除く作業です。
大きな動物は煮込んだりするのですが、オオコウモリぐらいのサイズは骨が細かいので一度バラバラになると組み立てるのが大変です。そんな時はこれ!
酵素入りポリデント!
細かいたんぱく質も分解してくれるし、ニオイは取れるという優れもの。
意外な使われ方にポリデント自身もびっくりしているはず。笑
また、ポリデントで洗浄すると筋肉などはボロボロにしてくれますが、
筋は残したままにしてくれるので、組み立ても楽になります。小動物にはおすすめです。
薬局に行けば簡単に買えますが、「この若さで入れ歯?」と思われるんじゃないかとドキドキします。
オオコウモリの大きさでは4錠ぐらいポリデントを入れました。
ポリデント液に浸けて丸一日常温保存です。
次の日、ボロボロになった残った筋肉をピンセットやらで取り除いていきます。
無理に取り除こうとすると構造が壊れてしまうので、取り除けない場合は再度ポリデントにつけて
ピンセットで取り除いてを繰り返していきます。
そして、ある程度取り除けたら(少しぐらいタンパク質が残っていても乾燥すると全然見えなくなるので大丈夫です)形を作っていきます。
本物に近い感じで作りたかったので、まずはオオコウモリがよくとまっているガジュマルの枝をゲットします。
まずは台作り。
ガジュマルの枝と台をくっつけます。
裏はこんな感じ
ドリルで穴をあけて、そこにネジを入れて固定しています。
台は補強のために台の中に一本木材をいれています。
土台完成!
今度は、ガジュマルにオオコウモリの骨をぶら下げて、ガムテープなどで腕や足の角度を決めていきます。
(背景汚くてすいません。。。)
この時、頭骨はまだ固定していません。
脊椎骨の中に1.0mmのステンレスの針金を入れて形を作っています。
こうやって1日ぐらいかけてしっかりと乾燥させ、形を作っていきます。
(細かいところは後で修正可能なので、こんな形にしたいという大体の形を決める作業です。)
乾燥させたら止めていたガムテープを外します。
そして、今度は型崩れしない&丈夫にするためにステンレスの針金で補強していきます。
使用するステンレス針金は先ほど脊椎骨に使用したもの同様1.0mmのものを使いました。
この針金を寄り合わせて弾性を持たせて使います。
腕はこんな感じです。
決めた形にステン針金を沿わせて固定していきます。
固定の仕方はこんな感じです。金の針金は真ちゅうです。
こうやって固定することで、骨に直接負荷をかけることなく固定することができます。
体の軸となる針金はステン針金を2本寄り合わせたもの2つを寄り合わせて頑丈にしてあります。
体のラインに沿わせてステンを折り曲げていきます。
これも真ちゅうで固定したら・・・
こんな感じです。
ステンで補強が終わったら、取れてしまった腕を接着剤でくっつけていきます。
使用した接着剤はアロンアルファとセメダインSUPER Xクリア
稼働しないところはアロンアルファで止めていきます。
関節など、少し稼働してほしいところにはセメダインSUPER Xで止めていきます。
首のあたりはセメダインSUPER Xを使いました。
足の部分は骨に負荷をかけないように、ステン針金をガジュマルに突き刺して固定しています。
そして、ようやく完成!
やっほーい!
飛び立つ前のオリイオオコウモリをイメージして作りました。
本物はこんな感じです。(Sさん写真提供ありがとうございました。)
普段私たちが見るようなアングルから撮影すると・・・
おぉ~!(@_@;)迫力があります!カッコイイです!
相同器官・相似器官の単元で教材に使えそうです♪
きっと、子供たちも感動してくれるのではないでしょうか!(●^o^●)そうであってほしい・・・。
今回の課題としては
作ったのはイイですが、この大きな標本をどこに置くかということ。
んー、分かってはいたけど、やっぱり大きい。
これは母親とひともんちゃくありそうな予感です。笑
標本を作成するにあたってご指導頂いた先輩Sさん
ありがとうございました。おかげさまでイイ標本ができました。
次回作をさらに良いものにするために精進いたします。
皆に自慢するたび「どこに置くの?」と言われる今日この頃。
あくなき探究心と現実がぶつかり、葛藤を抱く24歳でした。
※追記
コウモリはよく超音波を出して自分の位置を確認しながら飛行していると言われていますが、
オリイオオコウモリは違います。
超音波を出すタイプにコウモリは顔が豚っ鼻で、横から見ると少しつぶれた顔をしています。
こういった顔を持つコウモリが超音波を出しています。
ラッパは音が拡がるよう、先端が広がっているように、超音波を出すコウモリも顔の先端がとがっているより、
拡がっていた方が超音波を拡散しやすいのでしょう。
オリイオオコウモリは頭骨をみても分かるように、先端が細くなっています。
このタイプは目で見て飛んでいます。
コウモリと一口に言っても色んなタイプがいるんです。
面白いですね。
Posted by Cinnamomum_mk at 16:48│Comments(0)
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